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【ジャンル】 |
伝説 |
【カテゴリ】 |
説話 |
【 地 図 】 |
福井県敦賀市金ヶ崎町 |
【其の他 】
| 付近の史跡:金崎宮、金ヶ崎城址 |
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【 概 要 】
其の一.
金ヶ崎の海には鐘が沈んでいる。この鐘は常宮神社の朝鮮鐘と同一であり、船で運ぶ途中にこの辺りで沈んだという。
其の二.
金ヶ崎に沈んでいる鐘は建武の新政の際の争乱で、金ヶ崎の月見御殿付近にあった鐘が切れて海中に沈んだものである。
其の三.
金ヶ崎に沈んでいる鐘は神功皇后が新羅征伐の際に持ち帰ったものだが、運んでいる途中この辺りで沈んだという。
其の四.
莇生野の秋葉山にかつて織田神社が存在したが、いつの頃か梵鐘二口と織田神社の神体とは、丹生郡織田郷に遷された。
その運んでいる途中この辺りで沈んだという。
其の五.
金ヶ崎に築島(つきしま)という石の島があり、その周りに鐘が沈んでいるという。
漁夫がかつてこれを見たが、中に潜んでいるものが墨のようなものを吐き隠してしまった。
中に潜むものは、龍神であるという。
其の六.
海が荒れると、海中から鐘の音が鳴り響くという。
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【 雑 感 】
この金ヶ崎の沖には鐘が沈んでいるという伝説が残っており、そこから金ヶ崎と呼ばれるようになったという地名起源説話です。
伝えの一つに、築島という石の島付近に沈んでいるというのがある。
この築島という島がどこにあるかは定かではないが、すぐに思い浮かんだのが月見御殿の断崖の直下にある、かつて絹掛けの松があった絹掛けノ崎(写真:左1〜2番目)だ。
伝説其の二が事実とするなら、崖から転げ落ち、ちょうどこの絹掛けの崎辺りに沈んでいる可能性がある。
久しぶりに行ってみたら道がきれいに整備されており、驚いた。途中から立ち入り禁止になっていたけど、あそこはJR貨物の敷地なのだろうか?この辺りは他にも、火力発電所やらセメント工場やらで埋め立てられている場所が多いので、もしかしたらすでに鐘は埋められてしまったかもしれない。
近くまで行って海を覘いて見たが、海面は鉛色で底のほうは見えなかった。
そのうち止んでいた雨がポツリポツリと降ってきて、風もにわかに吹き荒んできた。龍神が現れるとき、必ず雨が降ると言われている。
このまま海が荒れるのを待ち、鐘の音が聞こえてくるか実際確認してみようか。一瞬そう考えたがやめておいた。
だって何か出てきたら嫌じゃない。。。うん、鐘もあるし、龍神もいるよ、見なくても分かる。
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