住所:
福井県敦賀市山中字深山腰5
神紋:
調査中
御祭神:
大山咋命
御由緒:

山中区南深山地籍に座せし日吉神社、祭神大山咋命は弘仁元年四月の創立にかかり、明治十一年三月村社に列せられたが、明治四十三年十二月十日追分区日吉神社に合祀した。

『敦賀郡神社誌』より引用

創建:
弘仁元年(810年)
社格:
村社(明治四十三年迄)

◆◆◆

雑感:

山中(集落名)にある日吉神社です。

私は今夏、大きな探検を二つした。
一つは明神山の鹿島神社、そしてもう一つがこの山中の日吉神社である。

山中は滋賀と福井の県境にある集落である。目印となるものがなく、集落入口も分かりにくいので、口では上手く説明できない。なので地図を見てほしい。大体そこら辺だ。

この山中は、かつては人馬の交通で栄えた村であったが、今は廃れ、誰も住んでいない(と思う)。廃村状態である。

この集落、家は一軒しか見当たらず、草木が生い茂り、半分山に還っていた。
それでも道を進むと、道路の舗装がいつの間にか畦道に変わり、草に囲まれてしまったので、諦めて引き返そうとした時、奥の竹やぶで何かが光った。
振り向くと、朝日に照らされて何かが輝いている(ように見えた)。鳥居だ。
近づくと、そこには一部壊れかけた社殿が、誰を待つでもなく、静かに座していた。
山中の神社も今まで所在が不明であったが、とうとう発見するに至った。

お参りして、さぁ朝飯でも喰うかと車に戻ろうとした時、事件が起きた。道の左脇の茂みから、黒いおっさんがいきなり出てきて、そして右の茂みに又隠れてしまった。
不審がられても困ると思ったので、挨拶をしようとしたが、そこで足が止まった。黒いおっさん?こんな廃村に?こんな朝早くに(AM6時半頃)??いるわけがない。やつはおっさんじゃなかった。そう、熊だったのだ。

足ががくがく震えだした。しかも、まだその茂みの中に居るのだ。震える足でゆっくり後退し、どうにか神社まで戻り、無事に帰れることを祈った。

私は反対側にも出口があったことを思い出し、そちらに向かうことにした。あと少し、あと少し。そう言い聞かせながら足早に進んだ。国道が見えてきた。
しかし考えようとしなくても、嫌なことが無意識に頭をよぎる。この道の角、あの茂みの中にやつはずっと私の事を待ち構えているのではないかと。。。

一瞬の不安の後、私は首を振り、また震える足で出口に向かった。

akeiro著『藪を抜けた時』より

※ノンフィクションです。行く時はくれぐれもご注意を。

境内の趣
全体の森厳さ
場所の分り難さ
※★は評価ではなくあくまで個人的な好きポイントです。

 

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