住所:
福井県敦賀市白木字上取10-4
神紋:
左三つ巴
御祭神:
彦波瀲武鵜草葺不合尊
御由緒:

当社は俗に白木明神、又は鵜羽大明神と尊称し奉って延喜の制の式社である。白木神社は新羅城の新良貴氏祖、稻飯命を祀ると伝え、或は白城宿禰を祀るとも云えど、こは恐らく附曾の説であろう。白城は新羅の神なるべしと言われているが、新選姓氏録に、新良貴彦は瀲武??草葺不合尊男稲飯命之後也、是於新良貴國即為國主稲飯命者新羅國王之祖也とある。惟うに天日矛の後裔此國に留り、其の遠祖葺不合尊、又は稲飯命を祀りしによれるものにて、地名シラキは日槍族の新羅人の住みしことあるにより起り、其の祖神を祀りしとの立説があれば、今は明細帳並にこの説に従う。

『敦賀郡神社誌』より引用

創建:
不明
社格:
式内社、村社

◆◆◆

雑感:

白木にある白城神社です。

白木は敦賀市でありながら、一度敦賀から出ないと(車で)行くことができないという、敦賀で唯一の集落だ。
縄間から馬背峠を水晶浜(美浜町)方面に向い、その後敦賀半島方面へ141号線を道なりに進むと白木の集落に着く。厳密に言うと、集落入口は途中で141号線から外れている。そして141号線自体は、あの"もんじゅ"へと続いているのである(警備員が居て、入れないようになっている)。

白城神社は集落西側の山に座している。神社前にかかっている朱塗りの橋が良い感じである。

この神社の祭神彦波瀲武鵜草葺不合尊は、通称ウガヤフキアエズと呼ばれ、神武天皇の父に当り、天皇家の祖である。
名前の由来は、茅葺きならぬ鵜の羽葺きの産屋を作っている最中に生れた為、「ウガヤフキアエズ(鵜茅葺き合えず)」と名付けられた。

神社誌ではアメノヒボコ(新羅の神)の子孫が、此の地に移り住み、そして新羅王の祖であるという説があるウガヤフキアエズの子、稲飯命を祀った言われている。新羅=シラキである。

市内沓見には、古代敦賀に来た都怒我阿羅斯等(ツヌガアラシト)の臣達が敦賀に留まり、一方は沓見に、もう一方は白木に移り住んだという伝説が残っている。
白木と沓見には新羅風の風習が残っていたり、沓見にも信露貴彦神社(シロキヒコ)があることから、あながち嘘とは言えない。
ではツヌガアラシト御一行は新羅人かと言うと違う。意富加羅という伽耶の小国の出身である。伽耶が新羅に滅ぼされ吸収されるのは6世紀以降のことであるが、ツヌガアラシトは紀元前の人なので、何故新羅の神を祀ったのかは不明。一度しっかり調べてみたい。

白木は他にも面白い伝説や、風習があるのだが、それは又の機会にお話ししたい。

境内の趣
全体の森厳さ
場所の分り難さ
※★は評価ではなくあくまで個人的な好きポイントです。

 

inserted by FC2 system